真如堂(しんにょどう)(真正極楽寺・しんしょうごくらくじ)

真如堂(しんにょどう)の説明

山号は鈴聲山(れいしょうざん)。
比叡山延暦寺を本山とする天台宗。
正しくは真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)。
本尊は阿弥陀如来。

円仁が唐から帰朝する時に、船上に現れた阿弥陀如来を彫刻して延暦寺の常行堂に祀り、
永観二年(984年)に戒算(かいさん)がこの像を移したのに始まるとされる。
東三條女院(藤原詮子。円融天皇女御・一條天皇の御母)の寝殿に堂荘厳を施して安置したとされる。
その後、一條天皇の勅願寺となり、また不断念仏の道場として浄土宗の開祖である法然上人や
浄土真宗の開祖である親鸞聖人をはじめとする多くの念仏行者や民衆の篤い信仰を集め、伽藍も整備された。

しかし、応仁の乱で戦禍に遭い、伽藍も焼失した。
その後、足利義政の寄進により復座し、紆余曲折を経て東山天皇の勅によりにより現在地に再建された。

享保二年(1717年)再建の本堂は、京都市内の天台宗本堂として最大規模を誇る。
本堂の北西に洛陽観音霊場として知られる新長谷観音堂(しんはせかんのんどう)(新長谷寺)がある。

本尊の阿弥陀如来は、慈覚大師円仁作。
完成間際に大師が「比叡山の修行僧のための本尊になってください」と
眉間に白毫を入れようとすると、如来は首を振って拒んだ。
「それでは都に下って、すべての人々をお救いください。特に女の人をお救いください」と言うと、
如来はうなずかれたと伝えられる。
その為、本尊阿弥陀如来は「うなずきの阿弥陀(うなづきの阿弥陀)」とも呼ばれている。
手は「すべての人を救おう」という請願をあらわした「九品来迎印」を結んでいる。
如来は戒算上人と東三條女院の夢枕に立った老僧のお告げにより、
女人禁制の比叡山から京の都に遷座され、真如堂のご本尊として祀られるようになった。
洛陽六阿弥陀巡りの一つ。

不動明王は、陰陽師安倍晴明の念持仏。
晴明公が突然死して閻魔王の前に引き出された時、この不動明王が大王に懇願して晴明は蘇生したとされる。
その時、閻魔王は「是は我が秘印にして、現世には横死の難を救い、
未来にはこの印鑑を持ち来る亡者決定往生の秘印なり」と言って晴明公に印を授けたとされる。
不動明王と印は晴明公の逝去後に真如堂へ納められ、印紋は今も参拝の方々に授与されている。

千住千眼観音は、伝教大師作と伝えられる。
この他境内の諸堂には、元三大師像、洛陽三十三所観音巡礼第五番の新長谷寺観音、
那須の殺生石で作られた鎌倉地蔵、御所の県井から出現した県井観音、
信濃善光寺如来出開帳に因んだ善光寺黒如来などの霊仏が祀られている。

寺宝には、運慶の発願によって書写された法華経、
遣唐使船や応仁の乱の合戦場面などで知られる真如堂縁起などがある。

「涅槃の庭(ねはんのにわ)」は1988年に曽根三郎氏によって作庭された。
ガンジス川支流の沙羅の林の中で、北(庭園に向かって左)を頭にしたお釈迦様が入寂され、
その回りを弟子や生類たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子が石組や白砂、植栽などで表現されている。
垣根の向こうには大文字山などの東山が横たわっている。

「随縁の庭(ずいえんのにわ)」は2010年に森重千青氏によって作庭された。
背後にある仏堂の蟇股に付けられた四つ目の家紋に因んでデザインされた。
「随縁」とは事象が縁に因って様々な現れ方をすることをいう。

(「京都洛東 鈴聲山 真正極楽寺 真如堂 しおり」および
 「増補版 京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」より参照)

真如堂の特徴・見所

真如堂の見所は多くの伽藍や庭園、そして境内の豊かな自然です。

雄大な本堂や荘厳な三重塔、赤く塗られた総門(赤門)、情緒ある渡廊下など
見ごたえある伽藍や建造物が多くあります。

また、多くの伽藍や建造物が四季折々に違った姿を見せてくれます。
境内には自然が多く、春は桜、春から夏にかけては新緑や青もみじ、
そして秋は紅葉が伽藍や建造物と一緒に楽しめます。

真如堂には複数の庭園があります。
枯山水の「随縁の庭」は、砂を区切り、岩を配した古風ながらもモダンな雰囲気の庭園です。
「涅槃の庭」は緑が豊富で自然の溢れる庭園であり、大文字も見えます。 

真如堂は広い境内に見所が多くお勧めの寺院です。

真如堂の桜

真如堂は桜の名所です。
名所と言っても他の京都の人気の名所ほどは知名度が高くないかも知れません。
春には総門(赤門)前や本堂前、三重塔付近で桜が咲き誇ります。
蟷螂なども多く絵になる桜が楽しめます。

真如堂の紫陽花

真如堂は初夏は紫陽花の名所です。
以前は隠れた名所でしたが今では知名度も上がり、隠れた名所とは呼べないかも知れません。
ただ、京都の有名な紫陽花名所に比べればまだまだ人は少ないです。
本堂裏や萬霊堂、宝蔵周辺には多種多様な紫陽花が植えられており、静かな境内を色とりどりに華やぎます。
初めて紫陽花が満開の時期に行くとその凄さに驚くかも知れません。
また、手水舎では紫陽花の演出なども行われていることがあります。

真如堂の新緑・青もみじ

真如堂にはもみじ・カエデが多く、春から夏にかけては鮮やかな新緑や深い緑の青もみじが楽しめます。
もみじだけではなく、伽藍や建造物と一緒に楽しめ、風情ある光景が見られます。

真如堂の紅葉

真如堂は紅葉の名所です。
三重塔前、本堂前、本堂裏、渡廊下付近など紅葉の見所が多いです。
場所によって真っ赤な紅葉から色とりどりの紅葉まで楽しめます。
晩秋には圧巻の散り紅葉、紅葉の赤い絨毯が見られます。

以前は穴場でしたが、知名度が上がり、今では穴場ではなくなってしまいました。
秋の紅葉のシーズンは結構混みます。

真如堂はこんな方におすすめ

  • 雄大な伽藍を見たい方
  • 大きな三重塔を見たい方
  • 自然溢れるお寺へ行きたい方
  • 長い参道が好きな方
  • 複数の庭園を見たい方
  • 枯山水庭園が好きな方
  • 砂庭が好きな方
  • 和風のモダンな庭園を見たい方
  • 渡廊下が好きな方
  • 燈籠が好きな方
  • 大文字を見たい方
  • 金戒光明寺へやって来た方

真如堂へのアクセス・拝観時間

住所:〒606-8414 京都府京都市左京区浄土寺真如町82

※金戒光明寺や吉田神社の方から歩いても行けます。
※その他のアクセス方法もあります。上記は一般的なアクセス方法です。 
 時間はおおよその目安です。

拝観時間 ⇒ 境内自由(※本堂内・庭園 ⇒ 9:00~16:00)
拝観料  ⇒ 境内自由(※本堂内・庭園 ⇒ 500円)

真如堂付近の観光名所

  • 金戒光明寺(400m ⇒ 徒歩5分)
  • 吉田神社(700m ⇒ 徒歩9分)
  • 宗忠神社(300m ⇒ 徒歩4分)
  • 岡崎神社(1.0km ⇒ 徒歩13分)
  • 霊鑑寺(1.1km ⇒ 徒歩15分)
  • 安楽寺(950m ⇒ 徒歩13分)
  • 法然院(1.2km ⇒ 徒歩17分)
  • 大豊神社(1.0km ⇒ 徒歩13分)
  • 銀閣寺(1.5km ⇒ 徒歩19分)
  • 平安神宮(1.3km ⇒ 徒歩17分)
  • 岡崎疏水(1.6km ⇒ 徒歩19分)
  • 京都市美術館(1.3km ⇒ 徒歩17分)
  • 京都市動物園(1.5km ⇒ 徒歩19分)
  • 蹴上インクライン(1.7km ⇒ 徒歩20分)
  • 無鄰菴(1.6km ⇒ 徒歩20分)
  • 南禅寺(1.8km ⇒ 徒歩22分)
  • 永観堂(1.4km ⇒ 徒歩18分)

※距離、時間はおおよその目安です。「約~」などは見にくくなる為省いています。

真如堂の公式ホームページ

(※まだまだ作成、編集中です。)

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コメント

  1. 京都にはいわゆる「レイライン」が無数にあるそうですが、真如堂がらみの「レイライン」がありましたら、お教えください。

    1. たぬとら様。
      当ブログへご訪問およびコメントをいただき誠にありがとうございます。
      真如堂の近くの神社仏閣や一緒に行けるスポットならご案内できますが「レイライン」となると存じません。
      昔からの言い伝えや諸々の説はあるようですが詳しくは存じません。

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