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臨済宗東福寺派の大本山。
山号は慧日山(えにちざん)。
本尊は釈迦如来。
延応元年(1239年)九条道家が九条家の菩提寺の創建を願って仏殿を建立。
寛元元年(1243年)には円爾弁円(えんにべんねん)(聖一国師)を開山に迎え、
天台・真言・禅の三宗を兼修した。
寺名は規模を東大寺に、教行を興福寺にならって東福寺と名付けられた。
建武元年(1334年)には京都五山の第三位、大伽藍を有する寺となり、
俗に「東福寺の伽藍面(がらんづら)」と言われた。
十四世紀前半に全焼したが、十五世紀前半に再建され、
明治十四年(1881年)に火災で仏殿・法堂などを失った他は、
三門をはじめ中世にさかのぼる建築がなお現存し、住持の威容を今に伝えている。
三門は創建当時の建物が焼失した後、至徳元年(1384年)再建に着手し、
応永三十二年(1425年)に完成した現存最古の三門であり、国宝にも指定。
禅堂は重要文化財で室町前期の建築。
中世にまでさかのぼることのできる禅堂の遺構として唯一の例。
東司(とうす)と浴室はともに重要文化財。
境内の最南端に建つ六波羅門は鎌倉前期の建築であり、重要文化財に指定。
鎌倉幕府の六波羅探題の遺構と伝えられる。
東福寺境内のその他の重要文化財建造物としては、
亀山天皇御所の遺構と伝える月下門や偃月橋(えんげつきょう)・愛染堂・鐘楼・仁王門・十三重塔などがある。
また、境内にある通天橋一帯は紅葉の名所として知られる。
方丈の庭園は建物を中心に東西南北の四庭からなる。
重森三玲(しげもりみれい)により、昭和十四年(1939年)に完成。
「八相の庭」とは、四庭に配された「蓬莱(ほうらい)」「方丈」「瀛洲(えいじゅう)」
「壷梁(こりょう)」「八海」「五山」「井田市松(せいでんいちまつ)」「北斗七星」の八つを、
「八相成道」(釈迦の生涯の八つの重要な出来事)に因んで命名されたものである。
南庭は巨石を配する枯山水庭園である。
古来中国の大陸の蓬莱神仙思想では、東の大海の彼方に仙人が住む
「蓬莱」「方丈」「瀛洲」「壷梁」と呼ばれる四仙島があり、島には仙薬財宝があると信じられた。
広さ210坪の枯山水庭園である南庭は、この四仙島を十八尺の長石を基本に
巨石を剛健に配し、渦巻く砂紋によって「八海」を表す。
西方には「五山」になぞらえた築山を置き、その苔地と砂紋とを区切る斜線の表現も効果的である。
南正面に設けられた向唐破風の表門は昭憲皇太后の寄進と伝わる。
恩賜門と呼ばれ、小型ながらも明治期唐門の代表作である。
西庭はくず石を方形に組んで井田を表した庭園である。
さつきの刈り込みと砂地を大きく市松模様に図案化する。
井の字に等分した古代中国の田制「井田(せいでん)」に因み、「井田市松」と呼ばれる。
北庭へ続く途中には「通天台」と呼ばれる舞台が設けられ、眼下に渓谷「洗玉澗(せんぎょくかん)」を一望できる。
北庭は敷石と苔地で市松模様をつくる庭園である。
ウマスギゴケの緑との対比も色鮮やかな市松模様の敷石は、
もと恩賜門に使われていたものである。
サツキの刈り込みと調和の妙も誠に印象深く、彫刻家のイサム・ノグチはこの庭を
「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評した。
東庭は柱石の古材による北斗七星の石組みの庭園である。
雲文様地割に円柱の石で北斗七星を構成し、北斗の庭と呼ばれる。
後方には天の川を表した生垣が配され、夜空が足元に広がるかのような小宇宙を造り出している。
重要文化財の「五百羅漢図」は、室町初期の画僧明兆(みんちょう)によって
描かれたと伝えられる四十五幅の大作であり、墨の描線や濃彩が鮮やかな作品。
明兆は東福寺に入って殿司(でんす)となり、兆殿司と呼ばれた。
仏殿の東北隅に安置されている二メートルほどの左手は、
明治十四年(1881年)に焼失するまで祀られていた釈迦仏像のもので、
火災の時に左手だけが救出されたという。
(「東福寺 方丈 八相の庭 しおり」および
「増補版 京都・観光文化検定試験 公式テキストブック」より参照)
11月12~30日までの間、「通天橋(つうてんきょう)」、「臥雲橋(がうんきょう)」の橋の上からの
携帯電話・スマートフォン・デジタルカメラ等での写真撮影・自撮棒での写真撮影は禁止となりました。
紅葉期間中は大変混雑し、危険な状態となるため禁止された模様です。
なお、本坊庭園(方丈庭園)については、携帯電話・スマートフォン・デジタルカメラ等での写真撮影は可能。
「通天台」からの写真撮影も可能と思われます。
ただし、自撮棒での撮影は危険防止のため禁止となっています。
致し方ないとはいえ、残念な事態、状況でございます。
(2016年11月8日追記)
東福寺は非常に見所の多いお寺であり、京都の人気の観光名所です。
まずは大伽藍や東福寺三名橋などが見所です。
巨大な三門、雄大な法堂、本堂、品のある開山堂などがあります。
そして、通天橋(つうてんきょう)、臥雲橋(がうんきょう)、偃月橋(えんげつきょう)の三名橋などもあります。
また、東福寺には複数の趣のことなる庭園があります。
重森三玲作のモダンかつ和風な方丈庭園、白砂と池の開山堂前の庭園、
もみじの素晴らしい通天橋付近の庭園など見所が満載です。
東福寺は京都屈指の紅葉の名所ですが、紅葉のみならず四季を通じて花々、木々を楽しめます。
春のサツキや菖蒲、新緑や青もみじなども見事です。
さらに、素晴らしい庭園のある塔頭寺院が複数あり、時間の許す限りあわせて拝観するのも良いと思います。
東福寺は、京都の人気の紅葉の名所だけあり、秋は物凄い人が多いです。
秋の紅葉シーズンは人の多さを覚悟の上で楽しみましょう。
しかし、他の時期はそんなに混雑することもなく、広い境内、たくさんの庭園をゆっくり拝観できます。
東福寺は京都の中でも是非ともお勧めのお寺、庭園です。
東福寺は春はサツキの名所です。
方丈庭園や開山堂前で華やかなサツキが楽しめます。
方丈庭園では四角く刈込まれたサツキや、市松模様の苔と融合した見事なサツキが見られます。
開山堂前では白砂や水辺に映える美しいサツキを見られます。
また、この時期は鮮やかな新緑や青もみじも同時に楽しめ、その数、量は圧倒的です。
東福寺は蓮の名所です。
三門前の蓮池の思遠池(しおんち)では、初夏から夏にかけてハスの花が咲き誇ります。
白系のハスの花が多く、思遠池を華やかに彩ります。
見ごろ時期があえば、想像以上に豪快に咲き誇ったハスの花が楽しめます。
東福寺のハスはあまり知られておらず、人はまばらです。
東福寺に来る人は多いですが、三門の南側の思遠池まで来る人は少ないようです。
以前よりも知名度は上りましたが、まだまだ京都のハスの花の穴場と呼べるかも知れません。
東福寺は京都屈指の紅葉の名所です。
三名橋、特に通天橋付近では圧倒的な紅葉が見られます。
また、方丈にある通天台からも一面の紅葉が楽しめます。
さらに方丈庭園では風情ある絵になる紅葉も見られます。
東福寺は秋の紅葉シーズンは人が物凄い多いです。秋の京都の中でも上位にくる人の多さです。
開門前から人が並び、開門後は通天橋が落ちてしまうのではないかと思うくらいの多さです。
人の多さは覚悟の上で紅葉狩りを楽しみましょう。
ただし、開門前から行く場合には、一つ良い方法があります。
通天橋には何十メートルという長い行列が出来ますが、方丈庭園には人の列はさほど出来ません。
開門頃にはみんな一気に通天橋の方へいきますが、方丈庭園の方にはあまり人がきません。
時間が経てば方丈庭園も人でいっぱいになりますが、最初の1時間くらいは方丈庭園はあまり人がいません。
開門時に行く場合は、是非方丈庭園がお勧めです。
京都(京都市街)はイメージほど雪が積もりません。
雪が降った時にどこへ行くか決めるのではなく、
次に雪がふったらどこへ行くかを前もって決めておくのが良いと思います。
その場所として東福寺はお勧めです。
通天橋の豪快な雪景色や、方丈庭園の風情ある雪景色など多彩な雪景色が楽しめます。
東福寺には有名な塔頭寺院がたくさんあります。
代表的な塔頭寺院です。
住所:605-0981 京都府京都市東山区本町15丁目778
※その他のアクセス方法もあります。上記は一般的なアクセス方法です。
時間はおおよその目安です。
拝観時間 ⇒ 9:00~16:00(※4月~10月末)
(※11月~12月初旬 ⇒ 8:30~16:00/12月初旬~3月末 ⇒ 9:00~15:30)
拝観料 ⇒ 境内自由。通天橋・開山堂 ⇒ 400円(大人一般)。本坊庭園 ⇒ 400円(大人一般)。
※京都の他の名所にはどこも少し距離があります。
※距離、時間はおおよその目安です。「約~」などは見にくくなる為省いています。
(※まだまだ作成、編集中です。)